住宅ローンにはどんな種類がある?

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住宅購入にあたって大半の方が住宅ローンを利用することになりますが、住宅ローンには各金融機関が提供する様々なローンがあります。

 

毎月、長期にわたって返済をしていくことになりますので、しっかりと下調べをしてご自身にあった借り入れを行いたいものです。

 

住宅ローンには大きく分けて3つのローンがあります。「民間融資」「公的融資」「協調融資」です。


それではさっそく、それぞれのローンについて見ていきましょう

■ 民間融資

民間融資とは銀行や信用金庫だけでなく、労働金庫、生命保険会社、住宅ローン会社などの機関が提供するローンです。

金融機関によって様々なローンプランがあり、公的融資と比べて圧倒的に種類が豊富です。またキャンペーンや特典のついたローンもあり、返済方式も「固定金利型」「変動金利型」「固定期間選択型」など多種多様なタイプがあり、複数の金利タイプを組み合わせることができますのでご自身のライフプランに柔軟に対応できるものを探せるという利点もあります。

 

金利は融資される時点(引き渡し時)の金利が適用されますので注意しましょう。

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■ 公的融資

公的融資とは、公的機関や自治体の提供するローンで、「財形住宅融資」や「自治体融資」があります。

財形住宅融資

公的融資でメインになるのが「財形住宅融資」で、勤めている会社で財形貯金をしている場合に利用することができます。

ただし利用には条件があり、財形貯金を1年以上継続しており、かつ貯蓄残高が50万円以上なければなりません。こちらは福利厚生の一環となり、勤め先を通じて申し込みを行います。

 

民間の融資と併用はできますが、「財形住宅融資」で借り入れができるのは財形貯蓄残高の10倍、最大4,000万円までです。5年ごとに適用金利を見直す「5年間固定金利制」になっています。金利の適用は借入申し込み時の金利が適用されます。

自治体融資

「自治体融資」は居住期間や年収に条件がありますが、一般的に低金利の傾向にあります。

各自治体が情報公開をしていますので、居住している市町村のホームページや役場に問い合わせてみましょう。

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■ 協調融資

協調融資は複数の金融機関が提携して融資を行うことですが、イメージは公的融資と協調融資の中間的なイメージです。

 

金融機関にとっては貸し倒れリスクを分散でき、利用者にとっては高額の融資が可能な傾向にあり、種類によっては審査基準が銀行と異なり自営業者や勤続年数が短くても審査が通りやすい場合もあります。

 

また複数の金融機関で借りる場合、それぞれの金融機関で返済日が異なったり返済先の口座もまちまちになる場合がありますが、協調融資の場合融資の取りまとめを行う金融機関の指定した口座への返済になり、返済日も1日になりますので管理がしやすい特徴があります。

 

ただ、単独で借りるよりも融資までの期間がかかってしまったり、一方の融資の審査が通らない場合もう一方の融資も断られてしまう可能性もあります。

 

協調融資の代表的なものが住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する「フラット35」です。

 

住宅金融支援機構 ​https://www.jhf.go.jp/

 

 

 

住宅ローンの金利タイプ

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主な融資の形態はお分かりになられたと思います。

では次に、住宅ローンを選択するポイントの一つであるローンの金利についてお話します。

 

一般的に金利は低い方が良いという印象ですが、返済の途中で金利や返済額が変わる可能性もあります。

また金利のタイプにによって月々の返済額が異なりますのでしっかり見極め、検討していきましょう。

 

住宅ローンの金利タイプは以下の3種類です。

 

■ 全期間固定金利型

全期間固定金利型というのは字のごとく、返済が終了するまで全期間にわたって金利が変わらない、(固定されている)タイプです。

 

固定されているので返済計画も立てやすく、たとえ経済事情が変わり金利変動が生じても返済額や金利は変わりません。

 

他の金利タイプと比較すると高めの金利設定が多く、借入れ可能額も変動金利型と比較して少額です。

また変動型の借り入れ時などタイミングによって、変動型の方が金利が安くなる場合がありますが、変動金利のように金利の推移を観察したり、場合によっては借り換えの検討するなどの作業に時間を割かれずに安定したペースで返済に集中できると捉えることもできます。

 

■ 変動金利型

変動金利型は返済中に金利が変動するタイプです。

 

固定金利型と比較し、借入時の金利が低く設定されています。主に金利の見直し期間は半年ごとで、5年に一度、月々の返済額が変更されます。金利上昇のリスクはありますが、返済額の変更の上限は借入時に決定した返済額の1.25倍までとされています。

 

ただ返済額の中には「元金返済」と「利息返済」の割合があり、金利上昇に伴って利息返済の割合は増えますので、金利上昇が急激にアップすると月々返済をしていても実際には利息のみを払っていることになったり、利息が払えない(未払利息)などの理由で返済の終盤で返済額を加算しなければならないケースや、返済の最終回で一括払いをしなければならない可能性が生じます。

金利上昇時には借り換えを検討する方法もありますが、借り換えには長期的な金利の観察と見極めが必要になります。

このことから、多額の借入をせず短期間で返済する方、もしくは金利上昇リスクもふまえ資金面に余裕のある方にお勧めなタイプと言えるかもしれません。

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■ 固定金利期間選択型

全期間固定金利と変動金利の間をとった形になるのが固定金利期間選択型タイプです。


借り入れ時の金利は全期間固定金利型に比べて低くなり、借り入れ時に3年・5年・10年といった金融機関の定める一定期間の固定金利を選択し、その期間満了時に固定金利の再設定か変動金利型に変更するのかを選びます。

その際、変更の申請が無い場合は変動金利型に自動変更となります。

また、固定期間が長いほど金利も高くなる傾向にあります。変動金利型のように金利上昇に伴う返済額の変更には上限額がありませんのでこちらも留意しておきましょう。

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【金利引き下げサービス】

こちらの融資には店頭金利より優遇された金利を適用する「金利引き下げサービス」を適用する場合もありますが、このサービスには“全期間一律引き下げタイプ”と“当初期間引き下げタイプ”があります。

 

■全期間一律引き下げタイプ

完済まで一貫して借り入れ時に決定した引き下げ幅が変更されないタイプです。

 

■当初期間引き下げタイプ

当初の固定期間が終了するまでは全期間一律タイプより引き下げ幅が大きく、その後は引き下げ幅が小さくなります。

 

比較的返済期間が短い方や、繰り上げ返済の検討が可能な方は当初期間引き下げタイプが適しており、借り入れ期間が長くなるほど全期間一律引き下げタイプが適している傾向にありますが、比較するには実際の金利で一度試算をしてみることをお勧めします。

固定金利選択型において、借り入れ時に固定期間を選択するにあたって考慮すべき点は、ご自身のライフプランをもう一度見直し家庭の収支出のタイミングを把握して、固定期間終了時に金利や返済額の上昇に耐えうる家計状況のなかで期間満了を迎えられるように設定期間を検討することです。

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住宅ローンの返済方式

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では、続いて月々の返済額に関わる住宅ローンの「返済方式」の種類です。

住宅ローンの返済方式は2つ、「元利均等返済」と「元金均等返済」です。こちらも借り入れに際して返済総額や月々の返済額に差がでてくるポイントですのでしっかり押さえていきましょう。

 

 

元利均等方式

毎月の返済額は一定で変わらず、その返済額のなかで元金と利息の割合が変化する。返済計画は立てやすいが、初めは元金分がなかなか減らず返済総額が大きくなる。

 

 

元金均等方式

元金は毎月同じ額で支払い続け、それに利息を加えた額が毎月の返済額になる。支払い総額は少なくなるが、返済初期は元金が多いので利息も多くなり、返済額の負担が増える。

 

計画的に返済したい方やライフプランの中で今後教育資金など他に支払いの予定がある方には元利均等方式を、自己資金等の準備があり当初の月の支払が高くなっても総額を抑えたい方には元金返済方式が適していると言えます。

しかしながら、低金利になればなるほど元利均等方式も元金均等方式も返済総額に大差が無くなりますのでこの点は年頭において試算してみましょう。

 

ただ、元金均等方式は取扱いの無い金融機関もあるため事前にチェックしましょう。

主なローンの種類

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それでは具体的に主なローンの種類をあげて、どのようなローンがあるのかをご説明します。

 

全期間固定型金利の代表的なローン

【フラット35】(協調融資)

こちらは協調融資の一つです。長期間の固定金利での融資は民間では提供が困難と言われていますが、住宅金融支援機構と提携することにより実現しています。

銀行や信用金庫、労働金庫、保険会社など様々な金融機関が取り扱いを行っています。金利や手数料は各金融機関で異なるほか、返済期間・融資率(建築・購入費に対しての借入額)・融資手数料によってもそれぞれ変わってきます。

 

また、適用金利は申込み時ではなく融資の実行時の金利になる点は注意しましょう。保証料・連帯保証人不要で、団体信用生命保険への加入が任意となっており、繰り上げ返済手数料も無料になっています。融資の限度額は100万円以上、8,000万円以下です。

 

【フラット35S】

フラット35での借り入れのなかで、省エネルギー性・耐震性・耐久性・可変性・バリアフリー性のいづれか1つ以上の条件を満たしている住宅を購入する場合、フラット35から一定期間借り入れ金利を下げるフラット35Sが利用できます。

 

【ダブルフラット】

また、フラット35の金利は返済期間が20年以下と21年以上で異なりますが、一部の借り入れだけでも低金利のものを利用したいという場合、フラット20とフラット35のように2つの借り入れを同一の金融機関で行う「ダブルフラット」も可能で、将来の返済額を減らしたい方におすすめです。ただし、事務手数料は増額することは覚えておきましょう。

 

 

※フラット35が向いている方

・勤続年数が短いまたは、自営業で収入の変動があるためローンを組みづらい方

・健康上、団体信用生命保険の加入が難しい方

・金利変動に囚われたくない方

 

住宅金融支援機構 https://www.jhf.go.jp/

 

 

民間金融機関(銀行・信用金庫・労働金庫・生命保険会社・住宅ローン会社など)のローン

また現在ではインターネット銀行など、ネット上のみでサービスを提供する銀行などもあります。インターネット銀行の場合、店舗で営業する銀行よりも金利が低い傾向にあり営業時間を気にせず受付が可能です。ただ、何か相談をしたいときにオンラインや電話での相談になりますので、窓口に行けば応対してもらえるという感覚とは異なってきます。

 

そのほか、審査の傾向として大手銀行は利用者の勤続年数・勤務先の仕事内容などを重視する傾向が見られるようです。基本的には正社員以外の借り入れは難しいかもしれません。

信用金庫や信用組合などは、これまでのローンなどの返済実績を考慮してくれる場合もありますし、勤務先で労働組合に加入しているのであれば労働金庫が審査上優遇されることもあります。

 

金利やサービスなども各機関さまざまなプランを提供しているので、色々と比較してみましょう。

不動産会社との提携ローン

不動産会社やハウスメーカーと金融機関による提携のローンは物件の契約で利用する不動産会社を通して申込みをするローンになるため、物件の審査が不要になり審査の時間をカットできる利点も。購入者にとっては利用しやすいローンです。

 

分譲マンションなど販売戸数が多い場合オリジナルの提携ローンを扱っているケースもあり、低金利での貸付や価格の100%まで融資可能なものなど好条件で借り入れが可能なこともあるため、あらかじめ確認してみると良いでしょう。

その他ローンに必要な手数料

最後に下記に住宅ローンに関する主な手数料を解説しておきますのでご参照下さい。

事務手数料 借り入れの際の金融機関に対する手数料は「定額型」と「定率型」があり定額は借入額に左右されず定額の手数料。金融機関やローンの種類によっても異なり、定形と定率の選択が可能な場合もある。
ローン保証料 保証会社にローンの保証人になってもらうための委託料。一括前払いの外払い方式と金利に上乗せして支払う内払い方式がある。保証料は借入額・返済期間によっても異なるが、フラット35は保証料無料。
火災保険料 住宅ローン借り入れ条件の1つになっている、火災保険。保険料は補償の範囲や建物の構造、地域差もある。地震・噴火・津波などの被害は対象外のため、地震保険に別途加入する場合もある。
団体信用生命保険料 金融機関が保険契約者となり、借り入れ者を被保険者として、返済中に死亡や高度障害となった際に保険金で残高を完済する。金利に上乗せされており別払いは不要な場合が多い。
繰り上げ返済手数料 繰り上げ返済をした時にかかる手数料だが、ネット上で行うと手数料無料の金融機関もある。手数料の額は金融機関やローンの種類によっても異なる。

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