マンションVS一戸建て 選び方の基準は?
住宅購入にあたって最初に直面する選択のひとつが「マンション」にするのか「一戸建て」にするのかということですね。
ご自身が両方にお住まいの経験をお持ちでなければ、なかなかイメージしづらいと思います。
家族構成やライフスタイル、予算、その地域にどういった物件があるかなどの諸条件にも左右されますのでどちらがお勧めと一概に言えるわけではありませんが、少しでも想像しやすいようにマンションと一戸建ての比較例を挙げながらご一緒に考えていきたいと思います。
■ コスト面でのマンションと一戸建ての違い
まずは一番気になるコスト面から両者を比較してみましょう。
コストには物件購入に際しての「初期費用」と、居住後の維持・管理・手数料などの「運用費用」があります。
初期費用は場所や面積・設備にもよりますが、一戸建てよりもマンションの方が低予算になるでしょう。
それでは運用費用はどうでしょうか?
下記の比較一覧をみてみましょう。
費用項目
管理費
修繕積立費
駐車場代
火災保険
固定資産税
マンション
月額/約1~2万円
月額/約1~2万円
月額/数千円~2万円
約10万円
数十万円
一戸建
かからない
自己積立
かからない
約30万円
数十万円
このように一覧をざっと見ただけでもマンションの方がかかる維持費の項目も多く、固定資産税についてもマンションは土地についての減税措置はありますが、物件価格に占める建物の比率や構造などの違いもありマンションの方が建物評価額が高く見積もられることが多く、一戸建よりも固定資産税は高くなる傾向にあります。
火災保険は、補償範囲の関係もあり保証する範囲の広い一戸建てよりマンションの方が安価になる場合が多いでしょう。
駐車場代については近頃は駐車場代0円をうたっている分譲マンションもありますが、管理費に上乗せされている場合もありますので予め確認しましょう。
これらのことをふまえた上で試算してみると30年~40年の居住で1,000万以上マンションの方が運営費用がかさむという例もあります。
なので運営費用については圧倒的にマンションは費用がかかります。
いっぽうで一戸建てにおいて修繕費用については自己積立になります。必要になる手入れの費用、予想外の破損や将来の修繕箇所は予測不可能ですので、油断せずにきちんと準備しておいた方が良いでしょう。
また、一戸建の場合管理費はかかりませんが維持管理の作業はご自身で、ということになりますのでコスト面と合わせて総合的に検討していきたいものです。
■ 資産的な価値からのマンションと一戸建ての比較
次に資産的な価値の視点からマンションと一戸建てを比べてみましょう。
一戸建ての場合、建物の税法上の木造住宅の耐用年数は2020年現在、22年と定めらています。そのため不動産業界では居住はもちろん可能ですが、資産としては築20年ほどで建物の価格は0円になるとされています。
ただ、建物の建っている土地は別です。土地の価値は年数に関係なく一定に保たれているので、比較的人気の高いエリアに購入した場合や開発などで土地の価値が上がれば後々の資産価値も維持できるかもしれません。
いっぽうマンションの場合は鉄筋コンクリート造(RC)の建物で税法上の耐用年数は47年となっています。
築20年程度で新築時の半額くらいの価値になり、その後は徐々に下がっていく傾向です。そのほか管理状態によっても資産価値が左右されます。
比較的一戸建てより便利な立地に建てられていることが多いマンションでは売却や賃貸がしやすいとも言えます。
では一体どちらが良いのかを考えたときに、10~20年以内に売却する場合はマンションの方が有利ですが50年経過すると、一戸建ての方が土地の価値が残り有利になるかもしれません。
そのほか、マンションも一戸建てもリフォーム・リノベーションで価値を維持させる方法がありますが申請や許可を要する場合もありますので、購入前に調べておきましょう。
マンション・一戸建て選びについてお問合せやご相談を受け付けております。
■ 防犯・セキュリティ面での比較
小さいお子さんや単身赴任や出張で旦那様が不在がちなご家庭などの場合には特に気になるのが防犯・セキュリティー面でしょう。
防犯面で比較した場合、やはり優れているのはマンションになります。
近頃のマンションはオートロック・モニター付きインターホンで訪問者を確認してからエントランスの開錠をすることができますし、敷地内に防犯
メラが設置されていたり、日中管理人が在駐しているマンション、警備会社による24時間警備システムを導入しているマンションもあり、さらなる防犯面での安心感が期待できます。
また、高階層になれば窓からの侵入のリスクも減るでしょう。
一戸建てでもセキュリティーサービス導入は可能ですが、個人で契約する必要があり多少敷居が高くなってしまうことは否めません。
■ 設備面での比較
設備面では一戸建ての場合、例えば太陽光発電などの省エネ設備など、ご自身の取り入れたい設備を自由に導入しやすい利点があります。
マンションの場合、エレベータや宅配ロッカー、パーキング入口のリモコン式ゲートなど個人では導入しづらい設備が最初から整っている場合もありますが、その他の設備を導入する際には導入の申請・許可が必要になりますので自由度は低くなるでしょう。
■ 生活面での比較
次に生活面でいえば、音の面やペットの飼育、生活マナーなど近隣への配慮の点ですが、マンションの場合集合住宅ですので深夜の洗濯機、掃除、DIY、子供の泣き声、足音、ペットの鳴き声などの生活音が生活スタイルの違いによって出てきますので、隣部屋や階下とのトラブルになる可能性は否定できません。
そのほかバルコニーの使用用途や禁止事項、ペットの飼育の可否、飼育可能の場合もペットの大きさや頭数の制限など生活に際してのルールも管理規約細かく取り決めのある場合がありますので、やはり一戸建てに比べ配慮が必要になります。
一戸建ての場合大半が木造になり、窓も比較的多くなりますので、マンションに比べ戸外の音が入りやすく、戸内も音は伝わりやすいですが隣世帯への生活音についてはマンションに比べ神経質にならなくても済むでしょう。
気密性や断熱性においては、近日木造でも高気密・高断熱をうたう戸建てが増えていますが、高性能になるほど当然費用は高くなります。
いっぽうマンションの場合コンクリート造ですのでもともと木造に比べ気密性・断熱性は高く、したがって冷暖房の効率が良く、高階層になれば日当たり・眺望にも期待できます。
■ 立地面からの比較
立地面では何に比重を置いて検討するかによりますが、利便性でいくとマンションに軍配が上がります。
駅徒歩圏内の立地も多く、必然的に商業施設も集まりやすくなります。子供が公共交通機関を利用する場合や、年配になってからの移動の面でも安心でしょう。
ただ、マンションが商業地域に建っていた場合、隣に予期せぬ建物が建設される場合もあります。
一戸建ての場合場、上記のようなエリアに建てるとなると費用はかなり高額になり、日当良好な立地を探すのも大変になります。
郊外であれば、比較的安全で静かな環境、自然いっぱいの子育てに適した環境などご自身の重視するポイントに合わせて自由に家を建てる土地から選択できるのが利点です。
■ 設計面での比較
設計にあたっては、一戸建てが自由度は高くなります。
マンションの場合共でも用部分以外の専有部分で、間取りの変更が可能な場合があります。水回りや柱の位置など変更不可能な部分はありますが、変更可能な期限内であれば相談も可能です。
ただ、広さにおいてはマンションと一戸建てで同額の物件であっても一戸建ての方が広くなる場合が多いでしょう。
一戸建でも用途地域や高さの制限などがあるケースがありますが、1~3階建てまで縦の面積を広げることも可能です。
マンションは一戸建てに比べ狭い傾向ですが、高齢で家族もそれぞれ別居になった際にも家が広すぎて移動と手入れが大変だということもありませんので、生活スタイルが変わった場合のことも考慮して検討すると良いでしょう。
耐震においては新しい建物の場合どちらも大差はありませんが、近年では防災倉庫を設置しているマンションなどもあるようです。
火事・台風に対してはコンクリート造のマンションが有利でしょう。
さまざまな視点から両者を比較してきましたが、どちらにもそれぞれの欠点・利点があります。
まずはご自身がライフスタイルの中で重視されるポイントを明確にし、それに対してどちらが合っているのかを検討することが大切です。
下記に比較一覧を掲載しておきますので、参考にしてください。
マンションのメリット
セキュリティ | オートロックやモニターホン、敷地内防犯カメラ、在駐の管理人、警備会社の24時間監視システムなど防犯面の設備が充実。高階層は窓からの侵入リスクが低い。 |
---|---|
構造 | 鉄筋コンクリートで、防火・耐性・気密性・断熱性に優れ冷暖房効率が良い。 |
立地 | 駅周辺や利便性の良いエリアの立地が多く、生活しやすい。 |
設備 | 宅配BOXやエレベータ、駐車場のリモコン式ゲートなど共用部が充実。敷地内に公園やスタディルーム、プレイルームなどを備えているマンションもある。 |
火災保険料 | 木造戸建てに比較して安価な傾向。 |
メンテナンス | 管理費、修繕積立費があるものの作業量としては、共用部は不要、室内は平米数が戸建に比べ狭い場合が多く手軽、定期メンテナンスもあり安心。 |
間取り | 一戸建てに比べ間取りの少ないマンションが多い分、家族のコミュニケーションが取りやすいとも言える。 |
資産的価値 | 賃貸・売買の際、立地条件、耐久性などから比較的お客さんが付きやすい。一定期間において価値の下落が緩やか。 |
マンションのデメリット
生活面 | 階下、近隣への配慮が必要。管理規約などで細かなルールの取り決めも。 |
---|---|
維持管理 | 駐車場、管理費、修繕積立費などがかさみがち。 |
ペット飼育 | 飼えない場合や、大きさ、頭数、種類に制限がつく場合がある。 |
設計・設備変更 | 一戸建てに比べ狭い傾向にある。共用部分の変更は他住民の同意が必要。間取り変更に制約がある。創エネ設備(太陽光発電など)導入が困難。 |
リフォーム | 事前に申請が必要な場合あり。共用部のリフォームは難しい。 |
所有権 | 共用部を除く専有部分のみ。売買・賃貸・抵当権の設定に制限あり。 |
一戸建てのメリット
生活面 | マンションに比べ立地によっては生活音などの面で近隣へ気遣いが少なくて済む。管理規定もなし。 |
---|---|
維持管理 | 固定の管理費は不要。ピンポイントで好きなところを自由に改装・修復できる。駐車場代も敷地内であれば不要。 |
ペット飼育 | 種類・大きさ・頭数などの制限がない。 |
立地 | 販売中の土地さえあれば好きな場所に建設できる。 |
設計・設備変更 | マンションで希少価値の高い100㎡以上の広さの間取りも設計可能。創エコ設備をはじめ、好きな設備を自由に導入。庭などマンションで共用部分にあたる部分も自由にできる。 |
リフォーム | 自由にできる。 |
所有権 | 土地と建物がすべて所有できる。抵当権の設定も自由度が高い。 |
固定資産税 | マンションより安価になる傾向。 |
一戸建てのデメリット
メンテナンス | 庭などがあれば草取りや戸外の清掃などのメンテナンスが大変。また築年数が経過すると傷んだ部分のリフォームなどでまとまった資金が必要。 |
---|---|
セキュリティ | 個人契約が必要。窓からの侵入にも注意が必要。 |
立地 | 郊外になりがちなため、交通手段や商業施設など利便性はマンションに比較し劣る。 |
構造 | 木造が大半のため、耐火・耐性・気密性・断熱性、戸外からの防音面でマンションに劣る。冷暖房の効率が落ちる。またこれらの優れた一戸建てになると価格が上がる。2階建ての場合高齢になってからの移動が大変。 |
火災保険 | 耐火性が低いのと対象範囲が広く、マンションより割高の傾向。 |
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